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【何故開発された?】TON(The Open Network)の将来性・技術徹底解説!!

TON(The Open Network)は、元々Telegramが開発したブロックチェーンで、シャーディング技術を用いた高速なトランザクション処理とスケーラビリティが大きな特徴です。

また、PoS(Proof of Stake)を採用し、環境に優しい設計となっています。TONはTelegramとの統合により、数億人のユーザーにシームレスなブロックチェーン体験を提供可能で、分散型アプリケーションやファイル共有など、幅広い分散型サービスの基盤としても注目されています。

今回はTONについて深い考察をしていきます。

目次

TON(The Open Network)とは??

TON(The Open Network)は2018年Telegramによって開発されたブロックチェーンプロジェクトです。他のブロックチェーンプロジェクトと大きく違うのがTONはユーザー数9億人を誇るチャットアプリの開発チームが携わったという点です。

既にある巨大既存サービスとブロックチェーンを絡ませた唯一のプロジェクトと言えます。

TONの開発背景は?

TON(The Open Network)の開発はパヴェル・デュロフと彼のチームで始まります。デュロフは、ロシア最大のSNS「VK(VKontakte)」を創設した後、プライバシーとセキュリティに重点を置いたメッセージングアプリ「Telegram」を開発しました。

Telegramは、その後、世界中で非常に人気のあるプラットフォームとなり、デュロフは次のステップとして、ブロックチェーン技術を活用したインフラ構築に着目します。そこから本格的にTONは始動していきます。

※VK(VKontakte)とはロシア最大のSNSでありユーザ数は約1億人を超える

パヴェル・デュロフとTONプロジェクトの始動

Telegramを運営していく中でデュロフは、中央集権的なプラットフォームへの不信感を抱き始めます。そして、分散型のインターネットやプライバシー保護に強い関心を持っていきました。

こうした理念に基づいて、彼は2018年にTelegramを基盤にしたブロックチェーン「TON(The Open Network)」の構築を発表しました。このプロジェクトの最終目標は、世界中のTelegramユーザーに分散型技術を普及させ、インターネット上で個人の自由やプライバシーを強化することでした。

またTelegramチームは、TONを基盤に「Grams」という暗号通貨を発行し、ユーザーがTelegram上で迅速にトランザクションを行えるエコシステムを構築しようと計画しました。

SECとの規制問題とTelegramの撤退

しかし、TONプロジェクトは進行中に米国証券取引委員会(SEC)との間で規制問題に直面しました。2019年、SECは「Grams」が未登録の証券であるとし、TONのICO(Initial Coin Offering)を差し止めました。これにより、Telegramは法的な圧力を受け、最終的にTONプロジェクトから撤退する決断を下しました。

2020年5月、パヴェル・デュロフは公式にTelegramのTONプロジェクトの終了を発表し、Telegramはプロジェクトから完全に手を引きました。

しかし、デュロフはオープンソースのTONコードを公開し、開発コミュニティにプロジェクトの継続を託しました。

TONの現在の開発者コミュニティ

Telegramの撤退後、TONは「The Open Network」として独立した開発者コミュニティによって引き継がれました。

このコミュニティは、TONの技術的ビジョンを維持しつつ、ブロックチェーンをより分散化し、柔軟でスケーラブルな形で運営しています。
現在のTONは、Telegramの設計思想を受け継ぎながら、分散型アプリケーションのプラットフォームとして発展を続けています。

具体的には、TON財団やTON Labsといった組織がプロジェクトの中心となり、TONの技術的開発やエコシステムの成長をリードしています。

これにより、TONのスケーラビリティやエネルギー効率、分散型サービスの強化が進められています。

TONの特徴と技術的強み 

TONはマスターチェーンと複数のワークチェーンから構成されます。マスターチェーンはネットワーク全体のメタ情報やプロトコルの変更を管理し、ワークチェーンは個別のトランザクションやスマートコントラクトを処理します。

これにより、様々なメリットが生まれています。

超高速のトランザクション処理

TONはシャーディング技術により高速処理を実現しています。

TONのシャーディング技術は、ネットワークの負荷に応じて複数のブロックチェーンにデータを分割して並行処理する仕組みを採用しています。この設計により、トランザクションがネットワーク上で迅速に確認され、スケーラビリティに優れたパフォーマンスを発揮します。

他のブロックチェーンとの比較表を紹介します。

TONが環境に優しい理由

TONが環境に優しいとされる主な理由は、PoSアルゴリズムによるエネルギー効率の向上が挙げられます。
PoWブロックチェーン(例:Bitcoin)では、マイニングに膨大な電力を消費する必要があり、そのエネルギー消費量は一部の国の総消費量に匹敵するほどです。
一方、TONのPoSアルゴリズムは、エネルギー消費を劇的に削減し、環境への負荷を大幅に軽減しています。

何故、PoSアルゴリズムが消費電力が低いかというと、PoSでは計算競争がないため、専用のマイニング機器や電力集約型のデータセンターを必要としません。
ブロックの生成はステークによって決定されるため、参加者は最低限のコンピューティングリソースでネットワークに参加できるのです。

TONとTelegramの統合による利便性

TONは、元々Telegramとの統合を前提に設計されたブロックチェーンです。

Telegramは、世界中で2億人以上のアクティブユーザーを抱えるメッセージングアプリであり、この膨大なユーザーベースを活用することで、TONはブロックチェーン技術を日常的に利用するユーザーへ簡単に届けることができます。
この統合により、ブロックチェーン技術が従来の複雑な仕組みを越えて、誰でも簡単にアクセスできるようになるという大きな強みがあります。

ユーザーフレンドリーな設計

TelegramとTONの統合により、ユーザーはTelegramのインターフェースを通じてシームレスにTONの機能を利用できます。簡単に言うと、ユーザーはアプリ間の切り替えや新たなプラットフォームのインストールをせずに、手軽にdAppsにアクセスできます。

なので、walletのような馴染みがないdappsでもハードル無しにユーザーに届けることができます。

マスアダプションへの期待

Telegramはユーザー数8億人の巨大なプラットフォームです。既存プラットフォームとの連携によりブロックチェーン技術の**マアダプション(大衆普及)**が大いに期待されています。

通常ではありえない速度でのブロックチェーン技術の普及が可能になります。

また、Telegramユーザーは、TONを利用して低コストで迅速な送金ができるため、特に金融サービスが十分でない地域や国での利用が促進されると期待されています。これにより、TON経済圏が出来上がり、新しい経済エコシステムが期待されます。

TONの将来性と課題

TONは時価総額Top10と比較的高いです。また以上の記事で紹介した通り他のプロジェクトにはない強みも持ちわせており、今後も注目されていくブロックチェーンプロジェクトになるでしょう。

まとめ

今回はTONについて紹介しました。

TONは、Telegramの広大なユーザーベースと、革新的なシャーディング技術やPoSアルゴリズムを活用して、ブロックチェーン技術の新たな地平を切り開いています。さらに、Telegramとの統合により、日常的なアプリケーションとしてユーザーに届きやすく、マスアダプションが期待されています。

TONは、今後も技術的な成長を続けながら、分散型サービスの普及を加速させ、新たな経済エコシステムを構築していくことが今後も期待されます。

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